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2013年7月27日 (土)

自閉症教育モデルで最も有効なものは?―TEACCH vs. LEAP vs. 普通のクラス

自閉症の特性が理解されるにつれ、様々な教育モデルやトレーニングモデルが考案されてきました。


その中でも良く知られているLEAPとTEACCHという二つの教育&トレーニングモデルがあります。


この一見全く両極にあるように思える2つのモデルと、何のモデルも使っていない普通のクラスとの3つを比較する研究結果が先月発表されました。(比較されたのは3~5歳児の保育園のクラスです)


それによると、

LEAP、TEACCH、モデルを使用していないクラス、どれにおいても、生徒の成長と学びが同じように表れた、というのです。


ただ、ここで大切なのは、そのどれもがスキルのある教師による質の高いクラスを対象に研究された点です。


この研究結果を見ると、どのモデルを使ったか、ということよりも、教師の質と教師と子どもとの良い関係の方が、子どもの学び&成長にとって重要であるということが分かります。



ところで、TEACCHは日本でもある程度知名度が高いと思いますが、Treatment and Education of Autistic and Communication-Handicapped Childrenの頭文字を取って(少しひねりを加えて)TEACCHと呼ばれています。


自閉症の特性に特化した教育&トレーニングモデルで、多くの場合目から入る情報を用いて(視覚支援)、見通しと理解を持って課題(手を洗うなど小さなことでも良いのですが)に一人でも取り組めるようになるようサポートする環境づくりと、そのモデルに携わる教師や親への教育を含めたモデルです。


その環境づくりのところで、物事の順序や意味が明確になるように環境の構造化をがっちりする人も中にはいて、そのイメージから、TEACCHは構造に沿った固いモデルのような印象を持つ人も多いかもしれません(曖昧性や臨機応変性を排除したまるで機械のように作業をこなす人間を作るイメージですね。実際のモデルの目指すところはそこではないのですが。


なので、TEACCHとはまるで対極にあるように理解されているモデルが、LEAP=Learning Experiences Alternative Program for Preschoolers and their Parentsになります。


LEAPというのは保育園児を対象に、自閉症のある子と障害のない子を同じクラスに入れて、普通の状況(real-world settings)で子ども同士の自然なやり取りを通してコミュニケーションスキルや社会性を育てていくモデルです。


障害のない子が自閉症の子と上手くコミュニケーションを取るために、こうやって声を掛けてごらん、とか、こうやってしてごらん、と大人が教えてあげることで、双方のやり取りの場を作っていきます。


一つの場面で見られたやり取りを、他の場面や違う設定でもできるように(般化するために)、大人がいろいろな場面で仕掛けていきます。
そして毎日、目標となる行動のデータを取り、次の日の実践プランを立てていく、というものです。


LEAPはその効果の高さから、研究に裏付けされた効果のあるモデルとして認定されています。



さて、冒頭の研究に戻って、


この研究では、25のTEACCHを用いたクラス、22のLEAPクラス、そして27の特定のモデルを使用していないクラスとを比較しました。


自閉症の子どもの数で言うと、85人(TEACCH)、54人(LEAP)、そして59人が対象になっています。

研究をしたのは、Boyd博士率いるTEACCHの本拠地ノースカロライナ州立大学の研究者グループです。


研究結果によると、それぞれのグループに属する園児全てが、自閉症(的症状や行動)の軽減、コミュニケーションスキルの上達、指先を使った微細運動スキルの上達を示しました。そしてその成長にモデル間の差異が見られませんでした。



少なくとも、それぞれのモデルに違った強みがあると予想していたのがそうではなかったので、この結果は研究者にとっても驚きだったようです。


研究対象になった「質の高い」クラスで見られた、

学びの査定(どのような時に上手くできたか、できなかったか、などをチェックして次の日の授業に生かす観察記録のようなもの)、


家族を巻き込んだ指導(家との連携)、


教師と児童との良好な関係性、


などが、モデルそのものよりも大事なのかもしれない、と提示しつつ、


そうした質の高いクラス作りをできるように、教師をどうやってサポートしていくかがこれからの課題になる、と締めくくっています。


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Preschoolers, from left, Eleanor Kimball, Thalia Lugo, and Sam Moschetto play paleontologist as they dig for dinosaurs buried in sand during class at Millville Elementary School in Millville, Mass. As part of the LEAP program used in the class, teachers encourage students to work and play together as much as possible.—Gretchen Ertl for Education Week
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