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2013年11月 2日 (土)

自閉症の子どもの教育について-テンプル・グランディンからのアドバイス

これは2012年の8月に、学校の新学期が始まるにあたって、テンプル・グランディンさんが教師や親へのアドバイスとして、TakePartというニュースサイトに寄稿した記事です。(オリジナルサイトはこちら

その当時から、いつか訳してブログに載せようと思いながら、のびのびになっていました…



テンプル・グランディンさんは動物学者で、コロラド州立大学の准教授です。牛にとってよりストレスのかからない農場設計を考案したことは有名で、彼女の設計した家畜施設がアメリカやカナダの多くの農場で使用されています。


動物学者としての成功と共に、彼女を有名人にしているのは、彼女が自閉症と共に生きているということです。


現在も自閉症啓発運動に積極的に参加し、自身の経験をもとに社会における自閉症の理解を広めようと活躍されています。

自閉症の人の視点から、その行動の意味や、感覚過敏などが実際どのような感じなのかを言葉で説明するのがとても上手であるため、講演会でも引っ張りだこで、たくさんの著書もあります。



2010年に、テレビ映画として作られたクレア・ディンズ主演の「Temple Grandin」(邦題:テンプル・グランディン-自閉症とともに)という彼女の半生を描いた映画はエミー賞を受賞し、かなりよくできていると評判なので、もしまだ見たことがなく自閉症に興味のある方がいれば、是非ご覧になってみてください。



Temple_grandin



さて、本題のテンプルさんからのアドバイスです。



"Kids with autism often get fixated on one thing, and it is important to expand their fixations."

「自閉症の子どもは一つのことにこだわることが多い、そのこだわりを広げることが大切です。」



こだわりを広げる、という時、まず大事なのは、その子どものできないことばかりに目を向けるのではなく、できることに注目すること。


多くの自閉症の子どもは一つの能力に長けている反面、別の能力に欠けていることがあります。例えば私(=テンプルさん)の場合、アートの才能はありましたが、代数などは全くもって意味をなしませんでした。


勿論、子どもの弱点を補強するのも大事です。
が、そのことに気を取られ過ぎて、長所を伸ばすことを忘れるべきではありません。



もし、私の先生が、私のアートの能力を無視し、弱点の補強ばかりに力を注いでいたら、現在の北米における家畜施設の多くが存在していなかったでしょう。




では、どのように凝り固まった興味を広げるのか。




私が小学生の頃、母と先生は私の絵画能力を広げるようと働きかけてくれました。

自閉症の子どもはよく、同じ物を何度も何度も描くことに凝り固まってしまうことがあります。


私の場合それは馬の顔でした。



馬の顔を書くのはとても簡単でした。でも足を書くとなると難しかった。


先生はいつも、馬の全体像を描くように声をかけ励ましてくれました。そしてそれができるようになると、馬の像を粘土で作るように勧めてくれました。



我が家では、毎年夏にビーチへ行っていたので、ビーチへ行くとビーチの絵を描くように母が勧めてくれました。


私が上手に海の絵を描いた時、母はそれを本物のガラスの入ったプロの額縁に入れて褒めてくれました。私の描いた絵が、本当に上質で大人レベルだった時にだけ、ガラスの入った額縁へ入れてくれました。



子どもの能力を広げるのはとても大事です。そして能力を様々な違うことに使うように広げていくことが大事です。



もし、レースカーの好きな自閉症の子がいれば、レースカーを題材にして読み書きの練習や数学の勉強をさせてみましょう。
もし、その子がレースカーばかりを描いていたなら、普通の人が買うようなスポーツカーを描くように励ましたり、それができれば次にレースの行われる会場の絵を描くように声をかけましょう。




子どもが大きくなった時、その能力を他の人がやって欲しいと思うことに使う必要がでてきます。



誰もエンドレスに同じ馬の顔の絵ばかりを欲しいとは思わないのです。



私にとっては何の面白味がなくても、私は誰かの欲しがる絵を描くことを学ばなければならないのです。



もし、書くことが好きな自閉症の子がいれば、誰かの面白がる文を書くスキルを教えてあげてください。もしその子が中学生なら、教会のウェブサイトや町内会のブログを書く仕事を与えるのも良いでしょう。
その子がレースカーにこだわりがあったとしても、この場合、レースカーについてばかり書くことが適切ではないということを教えてあげなければなりません。



与えられた仕事をこなせるように能力を使うことを学ぶことが不可欠なのです。



以前、美大をオールAの成績で卒業した自閉症のエリート学生が、雇用主の欲するばかばかしい鳥のグラフィックを作り続けるのが厭だったため、仕事を失ってしまったという悲しい話を聞きました。


仕事は労力を要するものです、つまり、もし雇用主がばかばかしい鳥のグラフィックを欲しいなら、私たちはとても上質なばかばかしい鳥の絵を描かなければならないのです。


そして経験を積み、その経験を履歴書に書き加えて、もっと自分にとって興味のある仕事を探せば良いのです。




ここまでが、テンプルさんのアドバイスです。


彼女らしい理路整然としたアドバイスですが、

今の彼女は自分の動物学者としての業績をとても誇りに思っており、それは親や教師が彼女に好きなことだけさせて放置することをしなかったからだ、と感謝しているようです。

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