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2015年6月28日 (日)

外国語習得には遺伝子が関係?

「Journal of Neuroscience」 2015年5月号に、外国語を習得する能力に関係する遺伝子に関する研究論文が発表されていました。テキサス大オースティン校のチームによる研究です。



外国語を習得するのが得意な人、苦手な人が世の中にはいるように思えますが、それにはある遺伝子が関連しているというのです。


この研究では204人を対象に、聞いたことのない言語スピーチを聞かせて、その言葉を分類する作業を課し、それぞれ被験者のDNAサンプルを比較しました。


それによると、FOXP2という遺伝子のあるヴァリエーションを持つ被験者が、この言語作業をより早く、正確にこなしていた、ということが分かったのです。


もともとこのFOXP2という遺伝子は、1990年代に行われた研究で言語能力と関係しているということが分かっています。


その研究では、三世代に渡って重度の言語障害を持つイギリスのある家族(15人)の遺伝子を調べ、FOXP2が、認知的(パターンマッピング能力)と身体的(音声を発するのに必要な顔の筋肉を動かす能力)共に重要な役割を果たすということが分かりました。


外国語習得には、記憶力、推論力、認知力、情報処理能力などが必要で、純粋な言語能力だけで行われるものではないので、これだけで一概に外国語習得不適応と決められるわけではないと研究者は言っていますが、この遺伝子の傾向を知ることができれば、その人にあった言語習得サポートの方法も具体的に分かる日が来るのではないか、ということです。



論文:
Chandrasekaran, B., Yi, H-G., Blanco, J. N., McGeary, E. J. & Maddox, T. W. (2015), Enhanced procedural learning of speech sound categories in a genetic variant of FOXP2, The Journal of Neuroscience, 35(20), 7808-7812.



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コメント

くり子さん、お久しぶりです。無事、Assistant Professor になられて、忙しく活躍されてるようですね。引き続き、陰ながら応援してます。

遺伝子配列によって、身体的特徴や特定の病気へのなりやすさが違う、という話はよく聞きますが、言語習得のような能力まで遺伝子に依存するという具体的な研究結果は初めて聞きました。

個人的には、医療を遺伝子情報に基づいてテーラーメードで提供することは賛成ですが、教育・能力開発までそうなるのはちょっと怖いと感じてます。

ネリノさま!

お久しぶりです!応援ありがとうございます(今の私にとって、とてもとてもありがたいコメントです)。

おっしゃること分かります。大人の教育に関しては、個人の特性に合わせてサポート方法を考えていくのは悪くないように思いますが(例えば、個人的に英会話教室に通う場合など)、学校教育に関して言えば、学習能力だけを純粋にターゲットとしているわけではないので(社会性や情緒の発達なども込みでの教育なので)、遺伝子情報に基づいてテーラーメイドで提供するのは、どうなのかな、という気がしますよね。できないことや苦手なことに、無駄に時間を使うことも成長の過程では必要なこともあります。

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