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2015年8月20日 (木)

子どもに携帯を持たせない訳

アメリカで人気のあるスタンドアップ・コメディアン(一人でマイクを前にして語るタイプのコメディアン)であり、ここ数年はそれを基にしたドラマなどで俳優としても活躍している、ルイ・シーケイ(Louis C. K.)が好きです。



日常の何気ない出来事や、家族とのやり取りを、とても率直に(時には率直すぎるほど赤裸々に)語るスタイルが人気で、特に男性の頭の中を表現する面白さは、どこか哀愁も漂わせる奥深さがあって、面白いだけでなく、聴いているうちに(逆説的に)


「人生は悪くないな」


と思えてくる不思議な笑いを提供してくれる稀有なコメディアンです。


そんなルイ・C.K.が、自分の娘に携帯を持たせない理由について語っているビデオ。


まずは見てください。







出だしで、


「他の子どもたちみんな持ってるしねぇ…」という親に、そういうしょーもない子どもたちに迎合するのではなく、自分の子どもは(携帯を持たない)良い例になれば良い、と切り出します。バカな子らが携帯を持ってるからと、うちの子もバカになってもらわなければと思う必要はない、


というようなことをさらっと語ってから、


子どもは元来意地悪(mean)であり、相手に意地悪なことを試しに言う生き物だから、相手の顔や反応を見て、これは言ってはダメだなと学んでいく必要があるが、相手の顔が見えない携帯だと、意地悪なことを言ったら、


「うーん、面白いね、いい感じ。」


となって終わってしまう、と続けます。


ここまでは前ふりで(軽く観客を笑わせる流れを作っている)、


ルイ・C・Kが本当に話したいことはここから。(0:56頃~)


"You need to build an ability to just be yourself and not be doing something. That's what the phone is taking away. "


「ただ何もしないで自分自身でいる、という能力を育てる必要がある。それこそが(その能力の発達こそが)携帯が阻害しているもの。」


"It's the ability to sit there, like this. That's being a person, right?"


「こんな風に座っている能力。これこそが「人である」ってことだよね?」


"Because、you know, underneath everything in your life, there is that thing. That empty, forever-empty, you know what I'm talking about?"


「だって、人生の全ての根底には、「あれ」があるからね、あの空っぽな、「永遠の虚無」が。言ってること分かるよね?」



それから「全て無意味で、自分は孤独だってこと。」と続けます。



(1:27) "And sometimes when things clear away, you're not watching any(thing). You're in your car, and you start going "Oh, no... here comes, that I'm alone!"


「それで時々、何もなくて、何も見てない時に、(例えば)車の中で、「やばい…あの孤独がくる…おれ一人ぼっちだわ…」という気持ちに襲われる 」


(1:41) "Life is tremendously sad... just by, you know, being in it."


「人生は酷く悲しい…ただ生きてるだけで。」


「だから皆運転しながら携帯メールをしちゃうんだよ。だいたい見渡すと100%の人が運転中メールしてるよね。そうやって、車でお互いを殺し合ってる。人を殺して、自分の人生を危険にさらしているのは、そのちょっとした瞬間も孤独でいたくないからなんだよ。それが辛すぎるからなんだよ。」


そこから、ある時車の中で流れてきた音楽の話になります。(ちょっと真面目過ぎる話から笑いを入れるためのフリですね)


(3:31) "So, anyway, I started getting the sad feeling and I was reaching for the phone, and I said "You know what, DON'T. Just be sad. Just let the sadness stay in the way of it. And let it hit you like a truck."


「それでとにかく、その悲しい気持ちに襲われて、携帯に手を伸ばしかけて、「いや、よせ。ただ悲しもうじゃないか。ただ悲しみに襲われてみよう。悲しみにトラックみたいに引かれようじゃないか。」って自分自身に言った。」 


(意訳になっています。)

それで車を路肩にとめて、


(3:48) "And I just cried... like a bitch. I cried so much... and it was beautiful. It's like this, beautiful.. Sadness is poetic! You're lucky to live sad moments.


And then I had happy feeling cause it's when you let yourself feel sad, your body has like anti-body, it has this happiness to come, rushing in to meet the sadness. So I was grateful to feel sad and then I met with true profound happiness.


It was such a trip, you know, when the thing is, because we don't want the first bit of sad, we push it away with like a little phone ...... You never feel completely sad or completely happy. You just feel kind of satisfied with your product and then you die. So... that's why I don't wanna get a phone for my kid."



「それで、ただただ泣いた、クソ女みたいに。かなり泣いて…で、素晴らしかったよ、素晴らしい…。悲しみって詩的だよね!悲しい瞬間を生きられるってラッキーなんだよ。


それで、そこから幸福感があって、というのも、悲しみを感じ切ったら、身体には抗体みたいなものがあって、幸福感が来るんだよ、幸福感が急いで悲しみを満たすためにやってくる。だから、悲しみを感じて、深い真の幸せを感じられたことをありがたく思った。


だから、その最初のちょっとの悲しみを感じたくないがために、それを押しやるって言うのは、(ここで少し下ネタが入る)… 完全な悲しみを感じることもないけど、完全な幸せを感じる事もない。自分のプロダクト(下ネタとかぶせている)にやや満足して死んでいく。そう…だから子どもに携帯を持たせなくないんだよ。」



ルイ・C・Kの持ち味が凝縮されたトークの一つだと思います。


ルイ・C・Kのスタンドアップに興味を持たれた方は、是非、見てください。スタンドアップでは、もっともっとディープなネタが多くて(下ネタも満載ですが)、秀逸な笑いになっています。


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コメント

かなり久々にお邪魔しております。

私もルイ・CKのファンで、Netflixで確か、シーズン3まで見ました。とてもポジティブで楽しいコメディとは違いますが、私のツボにはまり、面白い回は、見ていて笑いが止まりません。confident 彼の孤独感から生み出される笑いと、子供たちの前では、不器用ながらにも、良い父親であるアンバランな感じが好きです。 言ってる事は、下手な政治家のお話しよりも説得力があり、納得できます。

シエリさま、

大変お久しぶりです!

シエリさんもルイCKのファンだったんですね!本当に、とてもポジティブとは言えないし、時々見ているだけでくらーい気分になることもあるあの世界観、独特ですが、面白いですよね!

ルイCKのように、人生を正直に語りながらなお面白いコメディアンというのは、なかなかいないと思います。私は彼のスタンドアップが好きで、よく見ています。最近は、良い感じで年を取って来て、本人も言っていますが、なんだか妙なクールさというか、貫禄がでてきています。

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